不動産用語集

用語の頭文字

あ行

IRR

不動産経営などの投資事業においてその収益性を評価する指標の一つで、事業から得られるキャッシュフローの現在額と投資額が等しくなる割引率をいう。Internal Rate of Returnの略語。

 事業から将来得られるであろう各期間のキャッシュフローを現在価値に換算するには一定の割引率によって減価しなければならないが(第n期の収益を(1+割引率)のn乗で除する)、そのようにして算出したキャッシュフローの合計額と投資額とが等しくなるような割引率である。IRRは収益性が高いほど大きな数値となる。事業評価や投資判断などに当たって利用されている。

 不動産投資においては、DCF法が収益をベースに資産価格を算出して事業を評価するのに対して、IRRは投資額の回収性に着目して評価することになる。

  IRRを利用する場合には、事業規模に左右されない指標であること、事業期間を適切に設定する必要があることなどに注意しなければならない。

IHクッキングヒーター

IHとは、Induction Heaterの頭文字を取ったもので、「電磁誘導加熱器」という意味である。

IHクッキングヒーターは、トッププレート(結晶化ガラスなどの板)の下に、磁力発生用コイルを敷いたものである。
トッププレート上に鉄製の鍋を置いた状態でコイルに電流を流すと、電磁誘導により鍋底に電気抵抗が生じ、電気抵抗により鍋底が加熱される。

このような原理により鍋底全体を直接加熱するので、周囲の空気へ熱が逃げにくく、熱効率が80%以上と高いという特長がある。 2キロワットのタイプのIHクッキングヒーターは、4,000キロカロリーのハイカロリーバーナーに近い火力を持つとされている。

ただし電磁誘導により加熱を行なうため、磁力の影響を受けやすい調理器具(鉄製のフライパン、鉄鍋、18-0のステンレス鍋、鉄ホーロー鍋など)を使用する必要がある。アルミ鍋、銅鍋、土鍋、耐熱ガラス鍋などは使用することができない。また、鍋底が平らでない鍋(中華鍋など)も使用できない。

このため、アルミ鍋・銅鍋・超耐熱ガラス鍋などが使用できるクイックラジエントヒーターとIHクッキングヒーターを組み合わせたタイプの調理用ヒーターが開発され、普及しつつある(詳しくはラジエントヒーターへ)。

またIHクッキングヒーターを使用するには、家庭内の分電盤において、IHクッキングヒーターだけに使用する200Vの専用回路を設置する必要がある(ただし予備の回路がある場合、その回路を利用できる)。

ISDN

公衆電話網を用いて電話とデータ通信等を統合して運用するサービス。英語のIntegrated Services Digital Network(統合デジタル通信網)の略語。NTTが提供している。

特徴は、相手と直接に通信回線をつないで情報を送ることである(「コネクション型通信」という)。そのために回線の交換機を必要とするが、通信の安定性が高いとされる一方、コストが嵩むほか、ISDNの規格は国際性に欠ける。

なお、インターネットなどはISDNと違って情報にアドレスを付加して送る仕組みで、相手と直接に通信回線をつなぐことなく情報を伝達することができ、ISDNに比べて国際性を備え低コストであるが、通信の安定性に劣るとされる。

IoT(インターネット・オブ・シングス)

Internet of Things。モノが人を介することなく相互に情報をやりとりする概念をいう。これによって、広範な分野で、自動的な認識、判断、制御等やそれらの統合・連携が可能になるとの期待がある。 

例えば、住空間の状態や設備を自動的に制御し、住生活ニーズに幅広く応えることを目指した取り組み(スマートハウス、インテリジェントハウス、ユビキタス住宅など)も、この概念の具体化である。そのほか、エネルギー管理の最適化、ウエアラブルデバイスによる生活ニーズの充足、自動車の自動運転等々、多様な展開が考えられている。

なお、IoTを具体的に展開するためには、モノに認知・通信・制御機能を埋め込むこと、大量の情報をネットワーク化し分散したままで処理すること、データの収集・蓄積・分析を自律的に行なうことなどの技術開発が必要である。

ICT

情報技術と通信技術が複合化・一体化した技術概念。英語のInformation and Communication Technologyの略語で、情報通信技術ともいう。

ICTは、ものごとのデータ化、データの分析・総合化、情報の交流ネットワーク化などの技術が組合わさった幅広い技術をさす概念である。たとえば、スマートハウス、交通系ICカード、POSシステム(販売時点情報管理)、ソーシャルメディアはいずれもICTに支えられているなど、その応用範囲は広く、コンピュータ技術に重点を置いたIT(Information Technology)を包含すると考えてよい。

一方、AI(人工知能 Artificial Intelligence)やロボット技術は、ICTと連携することはあってもそれには含めず、別の技術と考えられている。

IP電話

インターネットをベースとした格安の音声電話サービスのこと。

IPフォンに加入するためには、利用者が光ファイバーADSLCATVという高速の情報通信サービスに加入していることが必要になる。その上で、利用者が加入している通信事業者(プロバイダなど)がIPフォンサービスを提供している場合には、利用者が申し込むことにより、IPフォンが使用できるようになる。ただし初期費用、月額(定額)使用料が必要である。

現在提供されているIPフォンのサービスでは、既存のアナログ電話機を、IPフォンに対応した特別の機器(IPフォン対応モデムなど)につなぐことにより、IPフォン通話が使用可能になるものが多い。

IPフォンに加入した場合、IPフォン専用の電話番号が交付される(既存の電話番号は一般電話回線として引き続き使用できる)。IPフォンへの一般電話・携帯電話からの着信も可能である。
IPフォンの加入者同士の通話は無料となることが多い。また、一般電話との国内通話・国際通話は格安となる。

IPフォン

インターネットをベースとした格安の音声電話サービスのこと。
IPフォンに加入するためには、利用者が光ファイバーADSLCATVという高速の情報通信サービスに加入していることが必要になる。その上で、利用者が加入している通信事業者(プロバイダなど)がIPフォンサービスを提供している場合には、利用者が申し込むことにより、IPフォンが使用できるようになる。ただし初期費用、月額(定額)使用料が必要である。

現在提供されているIPフォンのサービスでは、既存のアナログ電話機を、IPフォンに対応した特別の機器(IPフォン対応モデムなど)につなぐことにより、IPフォン通話が使用可能になるものが多い。

IPフォンに加入した場合、IPフォン専用の電話番号が交付される(既存の電話番号は一般電話回線として引き続き使用できる)。IPフォンへの一般電話・携帯電話からの着信も可能である。
IPフォンの加入者同士の通話は無料となることが多い。また、一般電話との国内通話・国際通話は格安となる。

IVS(国際評価基準)

不動産を含む資産の評価についての国際的な基準をいい、IVSはInternational Valuation Standardsの略語である。国際財務報告基準(IFRS)の採択など企業会計の国際的統一化の動きを背景に、財務諸表における資産評価の国際的基準として、国際評価基準審議会(International Valuation Standards Council)によって策定・提案されている。

IVSは、不動産だけでなくすべての資産や負債を評価の対象とし、市場価格(Market Value)を原価方式(Cost Approach)、比較方式(Market Approach)、収益方式(Income Approach)を基本として、市場参加者の視点から評価する方法を採用している。従って、日本の不動産鑑定評価基準と比較すれば、評価対象は幅広いが、その基本概念において同一で、手法についても整合的であると考えられている。

アイランドキッチン

壁に接することなく独立して設置された調理台の形式。部屋の中で島(英語でアイランドIsland)のようなかたちとなることから名づけられた。

アイランドキッチンは、対面型のキッチンであるとともに、オープンキッチン(ダイニングルームや居間とつながった形式)でもある。開放感やコミュニケーション性に優れている一方、設置のために部屋の広さや強力な換気装置が必要とされる。

なお、アイランドキッチンに類似した調理台の形式として、一端のみ壁に接するかたちのもの(ペニンシュラキッチン)がある。

アウトフレーム工法

マンションの住戸を構造的に支える構法に、「ラーメン構造」と「壁構造」がある。

ラーメン構造は、柱とを剛接合するもの。壁構造は壁で荷重を持たせるものでそれぞれ一長一短があるが、ラーメン構法の場合は、柱や梁が室内側に出っ張り(出隅・入隅)、デッドスペースを生み出してしまう。この短所を解消するのがアウトフレーム工法。

柱や梁を住戸の外側に出してしまえば、住戸の室内には柱や梁の出っ張りはなくなるため、部屋を有効に使える。柱はバルコニー側と開放廊下側にあるが、バルコニー側に出すケースが一般的。

青色申告

個人が、不動産の貸付け業などの事業を営んでいる場合には「確定申告」を行なう必要があるが、毎日の取引を正確に記録して、所得や税金の計算を正確に行なっている個人については、国が所得税法上のさまざまなメリットを与えるという制度が設けられている。
この制度のことを「青色申告」という。

青色申告を行なう個人には、次のような所得税法上のメリットがある。

1.一定要件を満たす「家族従業員」に支払った適正な給料・賞与(これを青色事業専従者給与という)は、必要経費となる。
2.複式簿記に従って青色申告決算書を完成させることにより、所得から55万円の特別控除を受けることができる。
3.複式簿記によらないで青色申告決算書を完成させた場合には、上記2.に代わって、所得から45万円の特別控除を受けることができる。

なお、青色申告を行なうためには、青色申告を行なおうとする年の3月15日までに、税務署に「承認申請書」を提出することが必要である(ただしその年の1月16日以後に業を開始した場合には、開始した日から2ヵ月以内に「承認申請書」を提出すればよい)。

また、不動産の貸付けから生じる所得(不動産所得)のある個人が、上記1.から3.のメリットを享受するには、不動産の貸付けが「事業的規模」に達していることが必要である。

青田売り

完成する前に宅地や建物を売却すること。新築マンションや戸建分譲住宅の販売手法として広く使われている。

売主は事業リスクを回避し、早期に資金を回収できるなどの利点があるが、買主には、確実に建物が完成するかどうか、完成物での仕様や品質が予定どおりであるかなど、引渡しまでのあいだ不安が残りやすい。そこで、宅地建物取引業法では、宅建業者に対して建築確認前の広告や契約の禁止、手付金等の保全義務などを課している。

青地

登記所に備え付けられている公図において青く塗られた部分のことで、国有地である水路や河川敷を示す。「青道」ともいう。

青地は本来は国有地であるから一般の宅地にはならないはずだが、長い年月のうちに水路が事実上廃止されてしまって、青地を含む敷地に普通の住宅が建っていることも少なくない。

このような青地を含む敷地を持つ中古住宅を購入する場合には、青地(国有地)を国から払い下げてもらう手続きを踏むのが安全である。

青道

青地」と同じ。それを参照。

なお、青地はもともと水路や河川敷であるが、その機能を失いあたかも道のようなかたちになっていることも少なくない。「青道」という名称は、このような土地の形状を反映したものと考えられる。

赤地

登記所に備え付けられている公図において、赤く塗られた部分のこと。
国有地である道路を示すものである。

従って、本来赤地は国有地であるから、一般の宅地にはならないはずだが、長い年月のうちに道路であることが忘れられてしまい、赤地を含む敷地に普通の住宅が建っていることも少なくない。

このような赤地を含む敷地を持つ中古住宅を購入する場合には、赤地(国有地)を国から払い下げてもらう手続きを踏むのが安全である。

赤道

公図上で地番が記載されていない土地(無籍地)の一つで、道路であった土地をいう。

古くから道路として利用された土地のうち、道路法の道路の敷地とされずにそのまま残った土地がこれに該当し、国有地である。公図に赤色で着色されていることから「あかみち」と呼ばれている。

現に、道路でなくその予定もない赤道の払い下げを受けるには、用途廃止等の所定の手続きが必要である。

上がり框

玄関に段差が設けられて、腰を下ろせるようになっているとき、その腰を下ろす部分にあたる水平材のこと。
高価な材が用いられることが多い。

空家対策特別措置法

適切に管理されていない空家等について、その状態を是正するための措置を定めた法律。正式には「空家等対策の推進に関する特別措置法」といい、2014(平成26)年に制定された。

同法は、市町村による空家等対策計画の策定、空家等の所在や所有者の調査、データベースの整備等を規定している。

さらに、ア)倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある状態、イ)著しく衛生上有害となる恐れのある状態、ウ)適切な管理が行なわれないことにより著しく景観を損なっている状態 、エ)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態の空家等を「特定空家等」として指定して、是正のための立入調査や、措置の指導、勧告、命令、代執行を行なうことができるとする規定を定めている。

また、措置の勧告を受けた特定空家等に係る土地については、固定資産税等の住宅用地特例から除外することとされている。

悪意

私法上の概念で、契約などの法律的な行為の際に一定の事実を知っていることをいう。

逆に知らないことを「善意」という。民法などの規定において、事実を知っているかどうかによって行為の効果に違いが生じることがあり、一般に悪意の場合には不利になる。

例えば、AがBに不動産を虚偽で売却したうえで登記をしたときにはAB間の取引は無効であるが、その登記済みの不動産をCが買収した場合に、CがそのAB間の取引が虚偽であることを知っていた(悪意である)ときには、ABはCに対して当該不動産の所有権移転が無効であると主張できる。しかし、Cが知らなかった(善意である)ときには、その主張はできない。悪意の場合には、善意の場合に比べて法的に保護を受ける効果が劣るのである。

アスファルトシングル葺き

アスファルトシングルとは、基材(無機系材料)にアスファルトを塗覆した柔軟性のある板状の材料である。
軽量かつ安価で、複雑な屋根でも加工しやすく、防水性、耐震性にも優れている。
このアスファルトシングルで屋根を覆うことを「アスファルトシングル葺き」という。

具体的な工法としては、アスファルトシングルを接着剤で下地に張る方法や、釘打ちによる方法がある。

アスベスト

石綿(せきめん・いしわた)のこと。

繊維質であるため紡績することができる。また、耐久力があり、溶融点が1,300度程度と高く、熱絶縁性が大きく、耐薬品性も大きいなど、安価で優れた性質を持つため、さまざまな用途に使用されてきた。建築素材としても、断熱材、保温材、耐火材として大量に利用された。

しかし、石綿の繊維を肺に吸入すると、肺がんや中皮腫の原因となることがわかり、1975年には吹き付け使用が禁止され、以後、段階的に使用の規制が強化 されて2006年には全面的に輸入・製造・使用等が禁止された(代替品が確立していない特定の部材については例外的に確立までの間は禁止が猶予されてい る)。

建物の解体などの際には、使用されていた石綿が飛散するなどの恐れがあり、それに伴う健康被害を予防するため、作業方法などについて一定の基準が定められている。

アセットマネジメント

委託を受けて不動産などの資産の形成、運用、保全を行なうことをいう。

その際に重要なのは、投資目的に沿ってリスクとリターンをコントロールすることであり、資産価値を評価するほか、投資内容や投資先の分散、投資期間の設定などについて工夫することが要求される。
また、その業務は多岐にわたり、例えば不動産を組み込んだアセットマネジメントにおいては、投資不動産の選定や売買だけでなく、不動産の収益性を左右する賃料の設定、テナントの選定などの業務にも関与する。

受託の方法として、大きく信託による方法と受委託の契約による方法とがあるが、その業務は、前者は主として信託業法によって、後者は主として金融商品取引法宅地建物取引業法などによって規制されている。

頭金

購入代金を分割して支払うときに最初に支払う代金。通常、商品引き渡しの際に支払われる。頭金は、以後支払う分割代金よりも多額であることが多い。

たとえば住宅ローンを利用する場合には、購入代金を金融機関から借り入れて販売者に一括して支払ったうえで、借入金を金融機関に分割返済することとなる。この場合に、通常、購入金額のすべてを住宅ローンの対象とすることはできず、代金の一部(一般には20%程度)は自己資金で支払わなければならない。この住宅購入時に住宅ローンを充てることなく自己資金で支払う代金が「頭金」である。

UPREIT

土地を現物出資して不動産投資信託REIT)として運用することとし、その後に出資分をREITの投資口(株式と同義)に転換する手法をいう。

「Umbrella Partnership REIT」の略語であり、土地出資者とREITとがパートナーシップを形成することから名付けられた。アメリカで幅広く活用されている手法である。

UPREITにおいては、出資した土地の簿価が時価よりも低い場合でも、土地所有者に対する時価との差額益(譲渡益)課税は、REITの投資口に転換した時点で行なわれる。つまり、UPREITを活用することによって、土地の含み益を顕在化することなく課税を繰り延べることができるのである。

アティック

屋根裏部屋のこと。アティック(attic、アテカともいう)とは、もともと古代建築の記念門の上部につくられた部屋であったが、転じて屋根裏部屋の意味になったといわれている。

アトリウム

もともとはローマ時代の中庭や中庭付きの大広間のことだが、現代ではグリーンや池などを設け、人工的な自然環境をつくり出す、建物に囲まれた中庭、吹抜けなどの内部空間を指す。

アパート経営

居住用建物の全部を所有し賃貸する事業をいう。不動産投資として実施されることがある。

アパート経営は不動産賃貸業であるから、事業を行なうことについては宅地建物取引業法の適用はない。ただし、アパート経営の仲介、アパート経営者の委任を受けて行なう賃借人の募集などの業務については、同法の適用がある。

なお、建物の全部ではなく、マンションの一室などを所有して賃貸する事業は「マンション経営」という。

アプローチ

敷地の入り口や門から建物までの小道(取付き道路)のこと。前面道路から建物までの距離をできるだけ取り、カーポートや前庭を配置することにより、まち並みや景観に配慮するケースが近年増えてきている。

雨戸

家の外回りに設置される窓のない戸。風雨の吹込み防止や防犯のために用いられる。

雨どい

屋根面を流れる雨水を地上や下水に導くための溝形や管状の部材のこと。

いわば雨の道で、横方向に流す軒樋(のきどい)、谷樋(たにどい)、縦方向に導くための竪樋(たてどい)、横樋(よこどい)と竪樋をつなぐ呼樋(よびどい)(形状が似ているので鮟鱇=あんこう、ともいう)などがある。

ちなみに、ボーリング競技でいう「ガータ」は、英語で雨どいのこと。

アルコーブ

マンションにおいて、共用廊下から数m離れた位置に玄関扉を置いた造りのこと。

アンカーボルト

布基礎にあらかじめ埋め込んでおく棒状の金物のこと。
布基礎と土台を緊結するための重要な金物である。

安心R住宅

安心に関する一定の要件を満たす旨の標章(マーク)を使用することのできる住宅。標章の付与は、国土交通省の告示(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度)に基づいて登録された事業者団体が行なう。

安心R住宅の標章を使用するために必要な要件は、1)新耐震基準(1981年6月1日以降の耐震基準)等に適合すること、2)インスペクション(建物状況調査等)を実施し、構造上の不具合および雨漏りが認められず、住宅購入者の求めに応じて既存住宅売買瑕疵保険を締結できる用意がなされていることである。そして事業者は、当該住宅の広告などに際して、安心R住宅の標章を表示できる。

安心R住宅の標章の付与に当たる事業者団体は、国土交通大臣の審査・登録を受け、リフォームの基準及び標章の使用について事業者が守るべきルールを設定し、団体の構成員である事業者を指導・監督することとなる。

なお、「安心R住宅」の「R」は、Reuse(リユース)・Reform(リフォーム)・Renovation(リノベーション)の意味である。

アール

アールを付けるなどと使う。円の半径を表す記号「r」に由来して、曲面や曲線を付けることをいう。

RMBS

Residential Mortgage Backed Securitiesの略。住宅ローンを担保として発行される証券のことで、住宅金融公庫(現在は「住宅金融支援機構」)が発行する貸付債権担保住宅金融公庫債券(現在は「貸付債権担保住宅金融支援機構債券」)や金融機関が発行する住宅ローン債権担保証券がこれにあたる。

証券を買った投資家は、住宅ローンの償還金や利子を受け取る。その特徴は、多数の住宅ローン債権をまとめてパッケージとして金融商品化することであり、アメリカで発達・拡大した商品である。住宅ローンは超長期固定金利という特性があるが、債務不履行、繰上げ償還などのリスクがあり、それらのリスクを投資家に分散する手法として、日本でも発行が拡大してきている。

ROE

財務指標の一つで、当期純利益を自己資本で除した数値。英語のReturn On Equityの略称で、和訳は「自己資本利益率」という。

自己資本は株主が投下した資本であるから、ROEは投資の収益性を示すとされている。

ROA

財務指標の一つで、利益を総資産(総資本)で除した数値。英語のReturn On Assetsの略称で、和訳は「総資産利益率」という。資産利用の効率性を表すとされている。

RC

「Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。
鉄筋コンクリート構造」という意味である。

鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のこと。
鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となる。
また、すべての部材がコンクリートで一体化され、部材同士の接合部は剛であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。

この鉄筋コンクリート構造のデメリットは、自重が大きいため、原則的には大空間建築や高層建築に向かないということである。

遺産分割

相続財産を相続人が分けることをいう。

遺言により各相続人の取得する財産が具体的に記されている場合を除いて、相続人全員で協議して、誰が、どの財産を、どの方法で、どれだけ取得するかを決めなければならないのである。

遺産分割の協議は、民法で「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」とされている。遺産分割協議に相続人全員が参加していなかった場合は、その遺産分割協議は無効となる。
また、協議は相続人間での任意の話合いであり、相続人全員で協議し、全員が賛成すれば、遺言や法定相続分に関係なく財産をどのように分けることも自由である。なお、協議ができないときや不調のときには、家庭裁判所で決めてもらうこととなる。

具体的な分割の方法としては、遺産そのものを現物で分ける現物分割、相続分以上の財産を取得するときにその代償として他の相続人に金銭を支払う代償分割、遺産を売却して金銭に変換したうえでその金額を分ける換価分割がある。

意思表示

一定の法律効果を欲するという意思を外部に表示することである。
意思表示は次の3つの部分から構成されている。

1.内心的効果意思
具体的にある法律効果を意欲する意思のこと。例えば、店頭で品物を買おうと意欲する意思が内心的効果意思である。

2.表示意思
内心的効果意思にもとづいて、その意思を表示しようとする意思のこと。
例えば、店頭で品物を買うために、店員にその旨を伝えようとする意思である。
(なお、表示意思を内心的効果意思に含める考え方もある)

3.表示行為
内心的効果意思を外部に表示する行為のこと。
例えば、店頭で品物を買うために、店員にその旨を告げることである。

なお、内心的効果意思のもととなった心意は「動機」と呼ばれる。例えば、品物を家族にプレゼントしようという意図が「動機」である。しかし、現在は判例・通説では「動機」は原則として、意思表示の構成要素ではないとされている。

か行

建ぺい率

敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。

建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。

さ行

敷金

建物の借主が、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、貸主に交付する金銭をいう。
敷金は、契約が終了した場合に、未払賃料等があればこれを控除したうえで借主に対して退去後に返還される。

修繕積立金

管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められている。

セットバック

2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。

た行

仲介手数料

宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。

定期借家契約

平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。

テラスハウス

2階建ての連棟式住宅のことをいう。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれる。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっている。

ら行

礼金

建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。